大夏随一の財閥戦家の長男・戦時砚が原因不明の重病に倒れ、国中の名医、医王・医神・医仙までもが匙を投げた。絶望する当主・戦梟の前に、次男・戦奕然が偶然出会ったひとりの乞食女が現れる。彼女の名は池音。その正体は、かつて世界を動かした伝説の富豪であり、生死をも操る医聖。しかし俗世に疲れ、市井で乞食として静かに暮らしていた。 戦奕然の善良さに心を打たれた池音は、彼の願いを一つ叶えると約束し、戦家へ同行。乞食同然の姿に名医たちは侮蔑し、戦梟も半信半疑。しかし池音は淡々と秘術を施し、誰も治せなかった戦時砚をあっさりと蘇生させる。戦家は驚愕し、救子の恩に報いるため池音を嫁に迎えたいと申し出るが、彼女はただ善意に答えただけと辞退する。彼女にはまもなく結婚を控えた婚約者がいたからだ。 しかし家に戻った池音が目にしたのは、婚約破棄を告げる婚約者と、その相手となった親友・趙夢の姿。かつて池音が恩義で支え、成功へ導いたはずの趙夢は、裏で彼女を陥れ婚約者を奪っていた。 裏切り、恩知らず、そして善意への報い。伝説の医聖・池音は、静かに身を潜めていた過去を捨て、再び世にその力を示すことを決意する。
深山で薬草を採っている林傲雪は、重傷を負った皇帝・蕭雲庭を偶然救い出した。二人は崖底の山洞で共に過ごし、恋に落ちた。蕭雲庭が去った後、林傲雪は自分が身ごもったことに気づいた。皇宮に戻った蕭雲庭は林傲雪の行方を必死に探し続けているが、手がかりは見つからなかった。一方、呉家の主人・呉大富は、災いを防ぐために林傲雪を無理やり呉家に連れ去った。そこで林傲雪は男の子を産んで、康くんと名付けた。 8年後、康くんの非凡な絵を描く才能は世間を驚嘆させたが、その名声は奪われ、呉家の坊ちゃんのものとされた。康くんが描いた絵が蕭雲庭の目に留まり、彼は8年探し続けた林傲雪とその子供のことを思い出した。蕭雲庭はすぐに呉家へ馬を飛ばし、絵を描いた人を探しに行く。ちょうどその頃、康くんは林傲雪の病気を治すために必死になり、泣き叫びながら蕭雲庭の胸に飛び込む。 果たして、父と子の運命はどのように交わるのか?そして、8年の時を超えた愛と絆の行方は……?
二十年前、魔尊を封じるため、剣聖の夫婦、蕭憶雪と顧止は力を合わせて魔を討った。顧止は自身を犠牲にして陣の眼となり、蕭憶雪も陣法の反噬を受け、功力を失って二十年の歳月を過ごす。息子の顧明誠を守るため、彼女は身を隠し、実家の蕭家にて辱めに耐え、族人や我が子からすら「逃兵」と呼ばれ続けた。二十年後、魔尊の封印が揺らぎ始める。天道盟が現れ、天下の強者を召集して「滅魔大会」を開く。顧明誠は母の汚名を晴らすべく、自らの力を証明しようと大会への参加を決意する。しかし、功力回復間近の蕭憶雪は密かに助言し、息子が強敵を打ち破る手助けをすることで、顧明誠は母の正体に疑念を抱くことになる。やがて、蕭家は趙家の生死擂の挑戦を受ける。顧明誠の代わりに、蕭憶雪が出陣し、甥の蕭雲山が趙家と戦う中、魔気に侵された宗師級の強者が趙家から現れる。危機に際し、蕭憶雪の功力が完全に戻り、甥を救い、圧倒的な実力を示すのであった。
孤児の喬希月は村人から厄介者扱いされ、自害を図るが、逃亡中の御曹司・裴少商と出会う。互いに助け合い恋に落ち、婚約する。裴少商は家督争いのため城へ戻り、「必ず迎えに来る」と婚約書を残して去る。 5年後、喬希月は娘・裴天恩を一人で育てながら待ち続ける。しかし従妹の喬珊に家を奪われ、「裴少商は再婚した」と騙される。娘を連れて都へ夫を探しに行くが、裴少商とすれ違う。 喬珊は実の娘・王萌萌を裴少商の子と偽り、喬希月は「改嫁した」と濡れ衣を着せられる。裴少商は偽娘を引き取り、養女縁組の宴を開く。喬希月が宴へ向かう途中、娘が事故に遭い、喬珊の策略で「裴少商が母女を殺そうとしている」と誤解する。 裴少商も「喬希月が再婚した」と信じ込み、二人は深い誤解に囚われる。運命の恋は実るのか?